関東総社 西宮神社 ~ 関東一の恵比寿さま~

令和4年11月19日、20日『えびす講』の様子

2014ロマンチックタウン足利写真コンクール「まんなかまち大賞」   「撮影者/鈴木昭男さん」
2014ロマンチックタウン足利写真コンクール「まんなかまち大賞」 「撮影者/鈴木昭男さん」

 秋が深まり、両毛の山々は遅い紅葉に彩られています。足利の山野に木枯らしが吹き、枯れ葉が天高く舞い上げられます。この木枯らしと一緒に、足利の恵比寿様のお祭りがやってきます。

 秋から冬へ、足利の季節は駆け足でうつります。足利地方では恵比寿様のお祭りまで綿入れも出さず、炬燵にも火を入れません。昔は足袋も履かなかったそうです。

 恵比寿様のお祭りは、秋から冬への区切りなのです。採りいれのすんだ農家の人たちは、ひとやすみして、恵比寿様に豊作のお礼参りをすませてから冬の仕事に掛ります。年末・年始の商戦に賭ける商家の人たちも、商業の神様・恵比寿様の大祭をきっかけに売出しを始めます。

 数々の願いを求めて、宵祭りに近在から多数の参詣人が集まります。一キロの参道は両側に二百軒余の露天が並び、数万人余の参詣人で埋めつくされます。美しく飾られたお宝屋の露天の前で、参詣帰りの人たちが品定めや値段の交渉をやり合います。値切り倒す客、悲鳴をあげて防ぐ店の売人、値が決まると元気な手締めが行われます。

 鯛焼き、焼き栗、焼きそば、玩具、衣類などの露天が賑やかに並び、境内近くには神棚や暦の店も出ます。

 大きなお宝飾りを担いだ人々が自慢そうに帰ります。参詣人は夜中まで境内に溢れ、夜通し途切れません。夜明け前には朝帰りの人たちが現れ始めます。足利の恵比寿様の宵祭りは関東随一の賑わいです。